光回線がルーターまで供給されていても、家の中の隅々まで高速スピードを実現するためには努力が必要です。外部配線が完璧でも、Wi‑Fiの速度低下や死角の解消など快適なWi-Fi速度を維持するにはコツがあります。ここでは、最近、家でWi‑Fi速度に満足できない際の簡単なWi-Fi環境を改善の方法を紹介します
1. Wi-Fiルーターを動かす
ルーターをクローゼットの中や棚の奥などに隠すのはNG。壁や家具、本棚はWi‑Fi信号を弱める可能性があります。
そして、ルーターを物理的に動かすことで、速度が大幅に改善されることもあります。
理想は家の中央で、障害物がない場所。コンソールやノートPCといった主要機器がルーターにできるだけ近くなるように配置しましょう 。
高い場所に設置したり、内蔵・外付けアンテナを角度調整するのも有効です。
Wi-Fiルーターを動かすポイント
1️⃣ ルーターの「現在地」を確認しましょう
ルーターが「クローゼットの中」「家具の裏」「テレビ台の奥」などに置かれていませんか? このような場所は壁や家具で電波が遮られ、Wi‑Fiの電波が弱くなります。
2️⃣ 家の「中央」かつ「オープンな場所」に移動

家全体に電波が届きやすくなるように、できるだけ家の中央に置きましょう。床の上ではなく、テーブルの上や棚の上(腰~胸の高さ以上が理想)に置きます。ルーターの周囲に物を置かず、「ルーターの正面と左右1m以内に障害物がない状態」がベスト。
3️⃣ Wi‑Fiをよく使う場所に近づける
特にリビングや作業部屋など、スマホ・PC・ゲーム機をよく使う場所の近くに設置するとより効果的。
4️⃣ アンテナの向きを調整
外付けアンテナがあれば、「1本は垂直(上向き)」「1本は水平(横向き)」にすると、上下・水平方向に電波を広げやすくなります。 (内蔵アンテナの場合は本体の向きを変えるだけでOKです)
「ルーターは家の中央・高い位置・オープンな場所に置く」だけで、多くの場合Wi‑Fi速度と安定性が大きく改善します!さらに「アンテナの角度調整」も忘れずに。
2. Ethernetケーブルを使う
Wi‑Fiが便利なのは確かですが、有線接続(Ethernet)はそれ以上に高速かつ安定しています。ゲーム機やデスクトップPCなど、最高速が求められる機器には有線接続がおすすめです。
Ethernetケーブルを使う際のポイント
1️⃣ そもそも有線接続とは?
Wi‑Fi(無線)は便利ですが、Ethernetケーブルを使った有線接続は「速く・安定して・途切れにくい」特長があります。特に「オンラインゲーム」「高画質ビデオ会議」「大容量ファイルのやりとり」をする機器には有線接続がおすすめです。

2️⃣ どんな機器に有線接続すべき?
以下のような機器は優先的にEthernet接続すると効果大です:
3️⃣ ケーブルの準備と配線
「LANケーブル(カテゴリー6以上)」を用意しましょう →「CAT6」「CAT6A」「CAT7」などの表記があるものがおすすめ(高速通信に対応)。
4️⃣ 接続の手順
- ルーター背面のLANポートにLANケーブルを差し込む。
- ケーブルのもう一方をPCやゲーム機などのLANポートに差し込む。
- PC側で自動的に「有線接続」になります(特別な設定不要の場合がほとんどです)。
📌 オンラインゲーム・デスクトップPC・固定TVは可能ならLANケーブル接続がおすすめです。有線に変更するだけで通信の「安定性」「速度」「遅延の少なさ」が劇的に改善されます👍
3. チャンネルまたはバンドを変更する
Wi‑Fiはチャンネル方式を使って信号を送ります。近所のルーターと同じチャンネルを使っていると混雑の原因に。チャンネルを変更すれば速度改善が期待できます。2.4GHz帯ではチャンネル1・6・11が混雑回避におすすめ。5GHz帯も使えるならデバイスによって使い分けましょう 。
チャンネルまたはバンドを変更する際のポイント
1️⃣ なぜチャンネル変更が必要か?
Wi‑Fiは電波の「道路」を使っています。 この道路(チャンネル)が近所のWi‑Fiと重なって渋滞すると、速度低下や不安定さが起こります。
2️⃣ 2.4GHz帯と5GHz帯を理解しよう

💡「近距離のデバイス → 5GHz」「遠い部屋のデバイス → 2.4GHz」と使い分けるのがおすすめ。
3️⃣ ルーターの設定画面にアクセスする手順
4️⃣ バンドステアリングを活用する(できるルーターの場合)
「スマホは自動的に5GHz」「古い機器は2.4GHz」など、自動で使い分けてくれる機能。 「バンドステアリング」設定を有効化するのも有効。
4. チャンネルやバンドの理解を深める
Wi‑Fi 6、6E、そしてWi‑Fi 7へと進化しています。Wi‑Fi 6は今最も一般的で、さらに高速安定なWi‑Fi 7を選べるならそれも有効。6Eは6GHz帯も利用でき、帯域幅やデバイス接続数が格段に増えています 。
1️⃣ 進化するWi‑Fi規格を簡単に理解しよう
📶 Wi‑Fi 5(IEEE 802.11ac): 旧世代。最大速度約6.9Gbps、主に5GHz帯。
📶 Wi‑Fi 6(IEEE 802.11ax): 現在の主流。
- 複数デバイス接続時でも安定した速度
- 速度向上(理論上最大約9.6Gbps)
- より効率的な通信(「OFDMA」技術など)
📶 Wi‑Fi 6E
- Wi‑Fi 6 + 新しい 6GHz帯域 も使えるバージョン。
- 6GHz帯はほとんど使われていないため「渋滞ゼロ」で非常に快適。 → ただし、対応ルーター・端末が必要。
📶 Wi‑Fi 7(IEEE 802.11be)
- 最新規格。2024年頃から普及開始。
- 速度・遅延・安定性すべてが大幅に向上(最大46Gbps)。
- 将来的に買い替えるなら「Wi‑Fi 7対応ルーター」を選ぶのもアリ。
🔹 2️⃣ 自宅ですぐできる「適切な規格選び」
現在Wi‑Fi 5以前の古いルーターを使っているなら買い替えを検討してみましょう。近年のスマホやPC(iPhone 11以降、最新Android、最新ノートPCなど)なら「Wi‑Fi 6対応ルーター」で十分。
もし、高速回線(光10Gbpsなど)を契約済みで、新しいスマホやPC(Wi‑Fi 6E / Wi‑Fi 7対応)があれば、次の買い替えでWi‑Fi 7対応ルーターを検討。
お使いのスマホ・PCが「Wi‑Fi 6以上」に対応していなければ、ルーターを最新化しても最大効果は出ませんので、まずは自宅の環境を確認してみましょう。
5. メッシュWi‑Fiシステムを活用する

メッシュWi‑Fiシステムは、複数のアクセスポイント(親機と子機)で家全体をシームレスにカバーできるネットワークシステムです。従来の中継器と異なり、速度低下が少なく、安定した通信が可能です。各メッシュノードが最適な経路を自動的に選び、移動中も途切れにくい接続を維持できます。
メッシュWi‑Fiシステムは家全体を効率的にカバーでき、スマホアプリで簡単に初期設定が可能でネットワークの最適化も自動です。ASUS、TP-Link、Netgear Orbiなど高性能な製品が特におすすめで、ルーターとメッシュノードは1〜2部屋ごとに適切に設置すると最大の効果を発揮します。
Wi‑Fi 7対応 ZenWiFiシリーズ「ASUS RT‑BE14000 Wi‑Fi 7 メッシュシステム」
- ポイント:最新Wi‑Fi 7規格対応で、6GHz帯を含むトライバンド構成。RT‑BE14000は高速&低遅延のMLO(Multi-Link Operation)にも対応。
- 実績:Tom’s Guideでは「Asus RT‑BE96Uが速度トップ」と評価されており、ZenWiFi BQ16 Proも「最速」性能とされる
- スマホアプリによる簡単セットアップと安定した通信が魅力。
コスパ重視なら「TP‑Link Deco X20 (AX1800) メッシュWi‑Fiシステム」
- ポイント:Wi‑Fi 6対応のトライバンドメッシュ。大容量でも手ごろな価格設定。
- 実績:「Deco X20を含むTP‑LinkのDecoシリーズは価格に比して性能が高い」と評価されています。
- 初心者でも扱いやすく、家中に安定したWi‑Fiを展開可能。
Netgear:Wi‑Fi 6でコスパ重視なら「Netgear Orbi Micro AX1800 Wi‑Fi 6 メッシュ(2台セット)」
- ポイント:コンパクト設計&Wi‑Fi 6対応。手軽にメッシュ環境を構築できます。
- 実績:「Orbiシリーズは広範囲カバーと安定性に優れており、初心者にもおすすめ」とレビューされています 。
- 小規模住宅や集合住宅に最適。
6. 使っていない端末を切断する

多数のデバイスが同時につながっていると通信が遅くなることがあります。有線接続できるものはケーブルで、使っていないスマート機器などはWi‑Fiから切断。必要な機器だけを接続するようにしましょう 。
1️⃣ なぜ?
Wi‑Fiルーターは「同時に接続している台数が多いと、それぞれに通信リソースを分ける」ため、 不要な機器が多いと主要機器(PC・スマホ・ゲーム機など)の速度が低下します。特にスマート家電、古いスマホ・タブレットが「接続したまま放置」されがち。
2️⃣ まず不要機器を見直しましょう。家でWi‑Fiにつながっている主な例として、
- 古いスマホ / タブレット
- スマートスピーカー
- IPカメラ
- スマートテレビ
- Wi‑Fiプリンター
が考えられます。「今使っていないもの」「滅多に使わないもの」は一度Wi‑Fi切断するのが有効です。
3️⃣ 簡単にできる「切断の方法」
✅ 各端末の「Wi‑Fi設定」をOFF:スマホ・タブレットなら「設定 → Wi‑Fi → OFF」で簡単。
✅ ルーターの「管理画面」で強制切断する。
- ルーター設定画面にアクセス(多くの場合は「192.168.1.1」など)。
- 「接続中デバイス一覧」を確認し、不要な端末を「切断」。
- 機種によっては「特定端末を今後自動接続させない設定」も可能。
✅ できるものは有線接続に切り替え:動かさない機器(テレビ・デスクトップPC・ゲーム機など)はLANケーブル接続が安定かつ高速。
4️⃣ 定期的に見直す習慣を
新しいスマート家電を追加した場合も「本当にWi‑Fiに常時接続が必要か?」を確認して、最低限の機器だけがWi‑Fiにつながる状態に保つと速度が安定します。
まとめ
自宅Wi‑Fiの速度低下や不安定さは、ルーターの設置場所、使い方、設定、そしてネットワーク構成の見直しで驚くほど改善できます。今回紹介した6つの方法 ― ルーターの最適な配置、有線接続の活用、チャンネル設定の見直し、最新規格ルーターの導入、メッシュWi‑Fiシステムの活用、不要端末の切断 ― は、どれも今すぐ実践可能な具体的な対策です。
とくに、最新のメッシュWi‑Fiシステムの導入は、家全体をシームレスにカバーしながら通信の安定性と速度を向上させる現代的な解決策としておすすめです。
「自宅Wi‑Fiが遅い」「つながりにくい」と感じたら、ぜひ本記事の改善手順を試して、快適で安定したインターネット環境を整えてください。通信環境を見直すことは、オンライン生活をより快適にする第一歩です。